こんにちは!占い師の光子です。
就活やお仕事について思うこと、の続きです。
ここからは就職してみて、10年以上勤め人として働いてみてどうだったのか、ということを書きます。
就職した動機が
「母を安心させるため」
だった私には、本当にやりたいことかどうかなど、自分とのマッチングは深く考えていませんでした。
そのため仕事の内容は向いていましたが、それなりに苦しさを感じていたことは確かでした。
そもそも初日に、帰りたくなったんですよ(^^;
初日は入社式のような、式典だったんですね。
(もう名前忘れちゃったよ…)
その式典が始まる前に、「君が代」の練習をしたんです。
私がそれまでいた環境は、音楽家の卵の集まり。美術学部の子たちも音楽が好きな子が多かったので、
「はい、国歌斉唱して!」
で、なんの練習もなくても、美しい君が代が当たり前に歌える集団でした。
ところが…始まった君が代の練習はまるで軍隊…
美しさのかけらもないし、この旋律がどんな味わいがあって、どんな風に歌えば美しく流れるのかは、全く考慮されていませんでした。
この時点で
「えらいところに来てしまった…」
と思いました。
挙句、隣に座っていた子たちが
「君が代の練習をするなんて、すごいですね!」
と盛り上がっていて、ますます、ちーん…となりました。
その後も、いじめられたり、仕事が多すぎて泣きたい時があったり、いろいろありましたけれども、今こうして闘病しつつも、家に住んで子どもを育てられるのも、占いの勉強ができたのも、すべて勤め人だった時の稼ぎがあったからです。
あの時の稼ぎがなかったら、全然占いの勉強はできませんでした。だから占い師にもなっていませんね。
そして何より、勤めていた間に、何が自分の得意なことなのかがよくわかりました。
それは人の話を聞くこと。
それもかなり重たい話を聞くことです。
振り返って考えれば、高校生くらいの頃から、
「誰にも話したことないんだけど…」
とディープな打ち明け話を突然聞くことは、ままありました。
公園でママ友から何の前触れもなく
「実は、生まれても長く生きられないことがわかって、お腹の中で諦めた子がいたんだ」
という話を聞いた時もあります。
電車の中など、よく知らない人(お年寄り多め)に話しかけられるのですが、たいていいつも身の上話を聞いてます。
プライベートの場でも突然の打ち明け話を聞く機会はあったのですが、仕事の場では、プライベートの比ではなく、何度もありました。
ある時は先生が、ツカツカツカっと私の横に来て、
「ちょっと聞いてほしんだけどさ」
と話し始めることや、一緒に作業していた先生が
「実は母が末期がんでさ、あと数週間なんだよね」
と抱えきれない心の内をみせてくれたことも。
私の方から
「あの先生大丈夫かな?」
と思って声をかけたら、仕事とプライベートのことで、崩壊しそうになっていた先生もいました。彼女は泣きながら話し、少し元気になって授業に戻っていきました。
更には保護者の方から、悲惨な状況の打ち明け話を聞いたことも何度もありました。後から
「あの時は本当に救われました」
とお礼のお手紙をいただいたこともあります。
普段、明るい顔をしている人たちが、誰にも言えない心の内の暗い部分の話をする存在というのが、なぜか私のポジションのようで、表面的にはすごく仲良しではないのに、その人の秘密の話を知っている、という人間関係の人が、本当にたくさんいました。
だから、大勢の中では別に私と仲良しではないんです。
けれど何かの折に、例えば異動する時などに、すごく感謝されたり、想定外のプレゼントをいただくことが何度もありました。
実は家族間でもそうで、妹も父も、結婚していた時は元夫も、みんな話したいことがあると、一生懸命私に話していました。
たまにしか会わなくなった今でも、父も妹も話したいことがあると、だいたいランチに誘ってくれます。
(ランチに誘われた=何か話したいことがあるのね、と理解するようになりましたよ(^^;)
妹曰く、
「お姉ちゃんはなんか、話したくなる人なんだよ」
らしいです。
この人なら、感情移入し過ぎずに、自分の話を聞いてくれそう、と思うそうなのです。そして後になってから
「それって占い師にはとっても必要な資質じゃない?」
とも言っていました。
たくさんの人から秘密の打ち明け話を聞く機会がとても多い。この経験が、
「私の得意なことはどうやら話を聞くことらしい」
という気づきに繋がりました。
この気づきを得られたのは、学校で働いて、たくさんの人と関わる働き方をしたからです。
こういうわけで、
「多少自分らしさを抑えることにはなっても、勤め人として働く経験をするのは、とても自分のためになる」
と私は思っています。
お金ややりがい以外の部分でも、働くことで初めて得られるものがある、と思うのです。
だから妹にも
「ご縁があればどこかで働いてみたらいいんじゃない?もし就活がうまくいかなくても、それはその時に考えたらいいよ。できることはたくさんあるよ」
と話しました。
あまりにもストレスフルだったり、「やっぱり自分には勤め人は向かない」となった時には、その時に方向転換すればいい、とも。
私だって、占い師になるなんて、夢にも思っていませんでしたよ(^^;
それでも、病気になってそれまでと同じ働き方ができなくなっても、できることはあるのだから、健康ならばもっとずっとたくさんの選択肢を、持てるのではないでしょうか。
自分らしさを抑えることになっても、どこかにお勤めする経験は、財産になります。そしてありがたいことにその財産があったから、今、私はこうして暮らせています。
新社会人のみなさんも、就活生さんも、今お仕事で苦しい方も、あなたが毎日築いている人生経験という財産が、きっとあなたをもっともっと幸せにしてくれます。
あなたの毎日が
今以上に素敵なものとなりますように。
光子でした。