悲しみと向き合う 上

こんにちは！占い師の光子です。


いつもは、ぽわわーんと
「神様がこんなこと言ってました」
など地面から数センチ浮いたような私ですが、

このところ1週間以上、生身の人間の私に焦点を置いて、まるで地面に数センチめり込むかのように過ごしていました。


ことの起こりは、先日のリーディング会（タロットリーディングを仲間と研鑽する会）でのことです。
「今年ますます仕事しまっせ！」
ということで仲間に見てもらったのですが、最終的なアドバイスは
『自分の内なる深い悲しみを癒しなさい』

私「・・・・・はい？？」
という状態でした。

講師であるMIWAさんから
「これが悲しいんちゃうん？」
とコントのように散々ツッコミを受けるも
「いや、それ別にそこまで悲しくないな…」
とアドバイスが何を指しているのか、全くわからずにいました。


そんな時は頭の片隅にアドバイスを置きながら、毎日を過ごします。

そのうちに私の内から出てきたのは、
「私、お母さんの死を平気だったことにしている」
でした。


癌で１年半の闘病の末に亡くなった母でしたが、当時妹は11歳。
夜になると父は泣いているし、妹は育てなきゃいけなし、家事も仕事もしなきゃいけないしで、悲しんでいる余裕がありませんでした。

さらには
「お母さんは近くにいる。（肉体はないけど）」
と私も妹も感じていて、悲しむことがピンとこなかったんですね。
（母＆妹も見えない世界を感知しやすい人です）

亡くなる前は
「お母さんが死んでしまう…」
と二人でわんわん泣いたものの、亡くなってみたら、なんだか悲しむ気持ちになれなかったのです。


母亡き後、私は
「お母さんのやらなきゃいけないことは私がやる」
とたくさんのことを背負いこみ、家事や妹の世話はもちろん、祖母が危篤の時には、母の代わりに終電の新幹線で病院に行きました。

母の趣味のバラの手入れをし、何もかも母がいた時と同じように、母がいないことで起こる不足がないようにと自分を律していました。


この頃のことを先日妹と話し合ったのですが、
「お母さんがいなくて寂しいって話したり、泣くことはなかったね」
と彼女も言っていました。

妹は母の死後１滴も泣かず、母の思い出を話しても
「お母さんのことはほとんど覚えてない」
といつも言っていて
「悲しみを、抑え込んでいるだけではないか？」
と私は心配していました。


最近になって妹は、突然母を鮮明に思い出すなど、抑えてきた悲しみが時間をおいて表に出てきたようです。

そんな妹の様子を心配しながらも
「私は大人だったし、全然平気だな」
と思っていたですが、母の死を平気なことにしている自分を認めたら
「本当は平気じゃなかったのかもしれない…？」
と気がついたのです。



ところで先日、妹が
「お姉ちゃんに多くのことを求めすぎてきた。本当はお姉ちゃんなのに、お母さんに求めることまで求めてきた。ごめんね。」
と言うのです。

確かに私たちの関係は、最近は姉妹に戻りましたが、長らく「年が近い親子」と言った方が良いくらいでした。

彼女は続けて、
「〇〇ちゃん（私の娘）が生まれた時、
『あーこれで私には本当に誰もいなくなった』
　と思った」
と初めて教えてくれました。
母が亡くなったことで、自分に関心を持ってくれる人が誰もいなくなったと感じていたようなのです。


こんな会話を
「お母さんの死を平気だったことにしている」
と気づいた後に思い出しながら
「私には誰かいたんだろうか？」
とふと思ったのです。
私のことに本気で関心を持ってくれる誰かが。


これは妹も同じだそうですが、私たち二人は
「気になる男の子より、おばさんが好き」
というところがあります。

他界した時の母と同じくらいの50歳前後の女性が好きです。
母を感じさせる人がいると、近くに気になる男の子がいても、女性の方にすり寄っていってしまいます。

このことを大して気にしていなかったのですが、
今思えば
「母が恋しい」
これが根っこにあったことなのでしょう。

でも母を感じさせる女性には、必ず私よりも大切な存在、例えば子どもがいます。
そのことにいちいち傷つくのです。

頭ではわかってる、でも
「私はこの人の大切な存在ではない」
その事実に何度も傷つきました。


「私には誰かいたんだろうか？」
この疑問への答えは

「誰もいなかった」

正確には父がいたのでしょう。
でもいっぱいいっぱいだった父は、まるで私たちに関心がない様子でした。

自分では大丈夫だと思ってきたのに、本当は誰もいなかった…。
この事実に、少々衝撃を受けました。

（後編につづく）


あなたの毎日が
今以上に素敵なものとなりますように。

光子でした。